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地中におけるコンクリートガラ、ビニール片等の産業廃棄物の存在を瑕疵と認め、最大で645万円の賠償義務を認めた事例

以下の事例のように、土地の売買契約締結後に、地中に、コンクリートガラや鉄筋コンクリートなどの地中埋設物が存在することが判明した場合は、買主は、売主に対し、多額の損害賠償請求をすることができる可能性があります。

なお、以下の事例では、瑕疵担保責任を土地引渡日から2年間に制限する特約が存在しており、買主による瑕疵担保責任の追及が土地引渡日から2年間経過後に行われているため、売主から、瑕疵担保責任が消滅しているとの主張がされましたが、裁判所は、売主が土地引渡し前に地中に地中埋設物が埋まっている可能性があることを予測し得たこと等を根拠に、売主の主張を排斥しました。このように、瑕疵担保責任については、契約書等で定められた期間制限を徒過したとしても、一定の場合には、売主の責任追及が可能な場合もあります。

裁判例 さいたま地判平成22年7月23日裁判所ウェブサイト
事案の概要 Aら6名は、それぞれ、居住目的で、Bより土地を購入した。売買契約においては、Bの瑕疵担保責任の期間を、各土地の引渡日から2年間とする特約が定められていた。その後、同土地の地中より、コンクリートガラ、鉄筋コンクリート片、がれき、アスファルト廃材、ビニールくず、紙くず、鉄くず、針金、木片、木くず、ゴム片、廃プラスチック、アスファルトコンクリート等の廃棄物が発見された。
判決の概要 Aらは、それぞれ居住目的で土地をしているところ、各土地に埋設されている廃棄物は健康に被害を与えたり、建物の安全性に影響を与えたりするものではないが、大量の廃棄物が広範囲にわたって埋設されているという嫌悪すべき事情があり、これに加えて、将来増改築する場合、地盤改良工事あるいは廃棄物の撤去のために費用を要することも予想されること等から、上記の廃棄物は瑕疵にあたると判断した上、同廃棄物の存在による土地の原価率を50%と評価し、Bに、同金員の賠償義務を認めた。なお、Aらのうちの一人は、Bに対して瑕疵担保責任を追及したのが土地の引渡日から2年間経過後だったが、Bは、地中にコンクリートガラを中心とする廃棄物が埋まっている可能性があることを予測し得たにもかかわらず廃棄物の埋設状況の調査をせず、また、廃棄物が存在する可能性について説明しなかったとして、信義則上、瑕疵担保責任を土地引渡日から2年間に制限する特約の存在を主張できないとした。
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