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地中における岩塊、コンクリート埋設物、スラグ、アセチレンボンベ及び鉄屑等の存在を瑕疵と認め2510万2100円の賠償義務を認めた事例

以下の事例のように、土地の売買契約締結後に、地中に、岩塊、コンクリート埋設物、スラグ、アセリレンボンベ、鉄屑などの地中埋設物が存在することが判明した場合は、買主は、売主に対し、多額の損害賠償請求をすることができる可能性があります。

なお、買主は、瑕疵の存在を理由として土地の売主の瑕疵担保責任を追求する場合、以下の期間制限に服することになりますのでご注意ください。

  • ① 土地の引渡しから10年(ただし商行為の場合は5年)で時効にかかります。
  • ② 商人間の売買では、買主は、土地引渡し後6か月以内に瑕疵の原因となる土壌汚染や地中埋設物を発見し、売主に通知する必要があります。
  • ③ 土壌汚染や地中埋設物の発見から1年以内に損害賠償請求をする必要があります。
裁判例 福岡地判平成21年7月14日判タ1322号188頁
事案の概要 Aは、B地方公共団体の一般競争入札に参加して、同地方公共団体所有の土地を1億3250万円で落札した。その後、Aは、Cに依頼してマンションの建築工事に着工したところ、上記の土地の地中に岩塊等が存在したため、杭が地中に貫入できない事態となった。AはCに依頼して試掘調査を実施したところ、上記の土地の地中から、岩塊、コンクリート埋設物、スラグ、アセリレンボンベ及び鉄屑などが発見された。そのため、Cは、当初予定していた通常の工法では基礎工事の施工はできないと判断し、より高額な工法に変更してマンションを完成させた。なお、工法を変更したことによって、工費が2310万2100円増加した。
判決の概要 中高層建物の建築用地であると取引通念上認められる上記の土地の売買において、中高層建物を建築するために通常一般人が合理的に選択する工法よりもコストのかかる工法が必要であること又はその可能性があることが売買代金額その他の売買契約の内容に反映されていないのに、売買代金額の17%余りに上る費用を増額して別の工法を選択することを余儀なくされたのであるから、上記の土地には瑕疵があったといわざるを得ないとし、B地方公共団体に、工法変更による工費増加額2310万2100円の賠償義務を認めた。もっとも、工法変更による工事遅延期間分の賃料等のAの逸失利益については、その発生についての具体的予見可能性を買主たるAにおいて立証できなければ瑕疵との間に相当因果関係を肯定することはできないとして賠償義務を認めなかった。
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