法律相談のご予約・お問い合わせ052-212-7640

開く

土壌汚染に強い弁護士トップ > 過去の裁判例 > 売主の瑕疵担保責任を認めた裁判例 > 地中におけるコンクリートガラ、アスファルト片等のさまざまな種類の廃棄物(産業廃棄物)の存在について179万9700円の賠償義務を認めた事例

地中におけるコンクリートガラ、アスファルト片等のさまざまな種類の廃棄物(産業廃棄物)の存在について179万9700円の賠償義務を認めた事例

以下の事例のように、土地の売買契約締結後に、地中に、コンクリートガラ、アスファルト片などの地中埋設物が存在することが判明した場合は、買主は、売主に対し、多額の損害賠償請求をすることができる可能性があります。ただし、以下の事例における基礎杭のように、土地の売買契約締結前に買主がその存在を知り得た場合には、買主は売主に対し、損害賠償請求をすることができない可能性があります。

なお、買主は、瑕疵の存在を理由として土地の売主の瑕疵担保責任を追求する場合、以下の期間制限に服することになりますのでご注意ください。

  • ① 土地の引渡しから10年(ただし商行為の場合は5年)で時効にかかります。
  • ② 商人間の売買では、買主は、土地引渡し後6か月以内に瑕疵の原因となる土壌汚染や地中埋設物を発見し、売主に通知する必要があります。
  • ③ 土壌汚染や地中埋設物の発見から1年以内に損害賠償請求をする必要があります。
裁判例 東京地判平成22年8月30日ウエストロー・ジャパン
事案の概要 Aは、日本たばこ産業株式会社(以下「JT」という。)より、土地を購入した。同土地は、JTの工場跡地であり、契約前に工場の地上建物や地下ピットが解体、撤去されていたが、基礎杭は放置されており、また、地中からコンクリートガラや鉄筋の取り残しが発見されたため、JTは、コンクリートガラや鉄筋の取り残しの撤去工事を行った。
判決の概要 Aは、土地の購入前に全体杭配置図を受領しており、また、重要事項説明書には基礎杭が残置されていること等が記載されていること等から、基礎杭が残置されていること自体は瑕疵にあたらないと判断された。他方、コンクリートガラや鉄筋の取り残しが瑕疵にあたることはJTも争っておらず、JTに、JTの実施した廃棄物撤去工事のためにAの宅地造成工事の中断が余儀なくされたことによりAに生じた損害等合計179万9700円の賠償義務を認めた。
  • 前のページへ
  • 次のページへ

土地売買契約書の要注意事項

土壌汚染・地中埋設物問題の基礎知識
土壌汚染トラブルでよくある相談と回答
土壌汚染に関する過去の裁判例

久屋総合法律事務所の事務所情報

お問い合わせはこちら

久屋総合法律事務所
〒460-0003
愛知県名古屋市中区錦二丁目2番2号 名古屋丸紅ビル12階
TEL 052-212-7640 FAX 052-212-7641
営業時間:10時~18時(土日祝定休)
pagetop