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地中における自然由来のヒ素及び人的由来の鉛の存在いずれについても瑕疵と認め4768万1550円の賠償義務を認めた事例

以下の事例のように、土地の売買契約締結後に、地中に、基準値を超える鉛及びヒ素などの土壌汚染が存在することが判明した場合は、仮に、これらが人的原因ではなく自然由来に基づくものであったとしても、買主は、売主に対し、多額の損害賠償請求をすることができる可能性があります。

なお、買主は、瑕疵の存在を理由として土地の売主の瑕疵担保責任を追求する場合、以下の期間制限に服することになりますのでご注意ください。

  • ① 土地の引渡しから10年(ただし商行為の場合は5年)で時効にかかります。
  • ② 商人間の売買では、買主は、土地引渡し後6か月以内に瑕疵の原因となる土壌汚染や地中埋設物を発見し、売主に通知する必要があります。
  • ③ 土壌汚染や地中埋設物の発見から1年以内に損害賠償請求をする必要があります。
裁判例 東京地判平成21年6月10日ウエストロー・ジャパン
事案の概要 Aは、共同住宅を建設する目的で、Bより土地を7億1000万円で購入した。その後、上記の土地において行なわれた土壌環境調査(概況調査及び詳細調査)の結果、上記の土地から土壌汚染対策法施行規則所定の基準値を超える鉛及びヒ素が検出された。ヒ素は自然由来によるもの、鉛は人的由来のものであった。
判決の概要 自然由来によるヒ素を含め上記土壌汚染を瑕疵に当たるとし、Bに、これらを除去するための土壌汚染対策工事費用4768万1550円の賠償義務を認めた。
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