土壌汚染に強い弁護士トップ > 過去の裁判例 > 売主の瑕疵担保責任を否定した裁判例 > 地中における鉄筋コンクリート造の構造物の存在を瑕疵と認めたものの、瑕疵担保責任制限特約の成立を認め、瑕疵担保責任を否定した事例
一般に、土地の売買契約締結後に、地中に、土壌汚染や地中埋設物が存在することが判明した場合は、買主は、売主に対し、瑕疵担保責任に基づいて多額の損害賠償請求をすることができる可能性があります。
しかしながら、以下の事例のAのように、売買契約書において権利行使に一定の期間制限が設けられている場合(いわゆる瑕疵担保責任制限特約)、同期間を経過した後は買主の請求が認められない可能性もあります。
なお、売買契約書に瑕疵担保責任制限特約が設けられていない場合であっても、買主は、瑕疵の存在を理由として土地の売主の瑕疵担保責任を追求する場合、以下の期間制限に服することになります。
裁判例 | 東京地判平成23年6月24日ウエストロー・ジャパン |
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事案の概要 | Aは、Bから複数の土地及び建物を総額4億5000万円で購入した。その後、同土地の地中から鉄筋コンクリート造の構造物などの地中埋設物が発見された。そこで、AはBに対し、売主の瑕疵担保責任等に基づき、地中埋設物の撤去工事費用等合計970万円の賠償を求めて訴訟を提起した。なお、本件売買契約では、A及びBは、Aは、本件土地及び建物の引渡期日以後6か月を経過したときは、契約の解除又は損害賠償の請求をすることができないとする瑕疵担保責任制限特約の合意をした。 |
判決の概要 | 瑕疵担保責任制限特約の成立を認め、Aの請求が期間制限後の主張であることを根拠としてBの賠償義務を否定した。 |