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自然由来のヒ素について契約上の除去費用負担義務が否定された事例

以下の事例は、売買契約の解釈問題として、自然由来に基づくヒ素に関する土地売主の汚染除去費用負担義務を否定しました。

もっとも、土地の売買契約締結後に、地中に、自然由来に基づくヒ素による土壌汚染の存在が判明した場合に売主の瑕疵担保責任に基づく賠償義務が認められた事例もあります(東京地判平成21年6月10日ウエストロー・ジャパン)ので、自然由来に基づく土壌汚染であっても、必ずしも売主の責任が否定されるわけではありません。

裁判例 東京地判平成23年7月11日判タ1385号173頁
事案の概要 Aは、Bから複数の土地を総額41億円で購入した。その後、同土地からヒ素が検出された。売買契約書には、「環境省の環境基準を上回る土壌汚染があった場合の汚染除去費用は売主が負担する」旨の本件条項等があったため、AはBに対し、汚染除去費用の賠償を求めて訴訟を提起した。
判決の概要 環境省の環境基準は、土壌汚染が専ら自然由来によることが明らかである場所については適用しないとされているところ、不動産業を専門とするAは、本件条項を自らの申し入れにより設けるにあたり、契約上、自然由来による土壌汚染の場合にも同条項が適用されるとする趣旨であればその旨容易に明確にすることができたはずなのに、これをしなかったのであるから、本件条項は、自然由来による場合には適用されない環境基準と同じ趣旨で環境基準を引用していると解するのが合理的な解釈であるとした上で、当該土地のヒ素は自然由来である以上、Bは汚染除去費用負担義務を負わないと判断した。
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