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地中における石綿(アスベスト)の存在について、瑕疵該当性を否定した事例

石綿(アスベスト)は、耐火被覆用の吹付け石綿、石綿含有保温材、石綿含有断熱材などの多くの建材に用いられてきましたが、肺がん、中皮腫などの原因となると言われ、段階的に禁止又は使用中止されてきました。アスベストは、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで飛散防止等が図られています。

以下の事例では、売買契約締結当時の法令上の規制の対象とならないこと等を根拠に、石綿を含有する土壌あるいは建設発生土の存在を瑕疵にあたるとは認められませんでした。

しかし、地中に存在する石綿の量に関する直接的な法規制は存しないものの、これらは、マンション建設等のために土地を掘削や廃棄物処理作業の実施の際に、作業中に石綿が飛散することのないように留意する必要があり、その処理費用は多額となることが多く、場合によっては瑕疵に当たると判断される可能性もあります(東京地判平成20年9月24日ウエストロー・ジャパン)。

なお、買主は、瑕疵の存在を理由として土地の売主の瑕疵担保責任を追求する場合、以下の期間制限に服することになりますのでご注意ください。

  • ① 土地の引渡しから10年(ただし商行為の場合は5年)で時効にかかります。
  • ② 商人間の売買では、買主は、土地引渡し後6か月以内に瑕疵の原因となる土壌汚染や地中埋設物を発見し、売主に通知する必要があります。
  • ③ 土壌汚染や地中埋設物の発見から1年以内に損害賠償請求をする必要があります。
裁判例 東京地判平成24年9月27日判時2170号50頁
事案の概要 Aは、平成15年8月12日、破産者Bより土地を8億9551万7500購入した。その後、本件土地の地中にアスベストが含まれていたことが判明した。そこで、Aは、破産者B破産管財人に対し、瑕疵担保責任等に基づき除去費用2億3771万4090円の損害の賠償を求めた。
判決の概要 石綿を含有する土壌あるいは建設発生土それ自体については、①売買契約当時、法令上の規制はなく、②売買契約において求められていた性能は、土壌汚染対策法及び環境確保条例が定める有害物質が基準値以下であることであり、③売買契約当時の実務的取扱いとしても、石綿含有量を問わずに、石綿を含有する土壌あるいは建設発生土を廃石綿等に準じた処理をするという扱いが確立されていたとはいえず、さらに、そもそも、本件土地に含有されていた石綿が土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがある限度を超えて含まれていたとも認められないから、本件土地に瑕疵があったとは言えないと判断した。
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