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地中におけるフッ素の存在について、契約締結当時の基準に基づき瑕疵該当性を否定した事例

以下の事例では、土地の売買契約締結後に、同土地の土壌に溶出量基準値及び含有量基準値を超えるフッ素が含まれていることが判明したものの、フッ素は売買契約締結当時、法令に基づく規制の対象となっていなかったこと等から、瑕疵に該当しないと判断され、土地の買主の損害賠償請求が否定されました。すなわち、以下の事例において売買契約が締結されたのは平成3年3月であるのに対し、土壌に含まれるフッ素についての環境基準が告示されたのは平成13年3月、フッ素が土壌汚染対策法に規定する特定有害物質と定められたのは平成15年2月のことでした。

このように、売買契約締結後に有害性が認識された物質が地中から発見されたとしても、売買契約締結当時は何ら有害性が認識されていなかった場合、このような物質の存在は瑕疵に該当しないと判断される可能性があります。

もっとも、以下の事例では、「売買契約締結当時に有害性が認識されていたか否かにかかわらず、人の健康に係る被害を生ずるおそれのある一切の物質が含まれていないことが、特に予定されていたとみるべき事情もうかがわれない」ことも瑕疵に該当しない根拠として述べられております。つまり、当事者間の協議内容や合意内容次第では、売買契約締結当時に有害性が認識されていなかった物質であっても、瑕疵に該当すると判断される余地がありうると考えられます。

そのため、土地の売買契約書においては、いかなる物質が発見された場合には売主の瑕疵担保責任の対象とするのか具体的に明記しておく必要があると思います。

裁判例 最判平成22年 6月 1日民集 64巻4号953頁
事案の概要 Aは、Bから購入した土地に溶出量基準値及び含有量基準値を超えるフッ素が含まれていることが判明したとして、Bに対し、瑕疵担保責任に基づき、損害賠償を求めた。なお、土壌に含まれるフッ素は、本件売買契約締結当時、法令に基づく規制の対象となっていなかった。
判決の概要 売買契約の目的物である土地の土壌に、売買契約締結後に法令に基づく規制の対象となったフッ素が基準値を超えて含まれていたことは、①本件売買契約締結当時の取引観念上、フッ素が土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるとは認識されておらず、②本件売買契約の当事者間において、本件土地が備えるべき属性として、その土壌に、フッ素が含まれていないことや、本件売買契約締結当時に有害性が認識されていたか否かにかかわらず、人の健康に係る被害を生ずるおそれのある一切の物質が含まれていないことが、特に予定されていたとみるべき事情もうかがわれない等の事情の下においては、瑕疵には当たらないと判断した。
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