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土地買主は損害賠償請求・契約解除できる

ある物について売買契約を締結する場合、売主が買主にその物を引渡した後、その物にキズや欠点があることが判明する場合があります。

売買契約においては、売主は、物をそのまま買主に引き渡せば契約上の義務を全うしますので、仮に、引渡した物に、外見からは分からないような買主の認識していなかったキズや欠点があったとしても、売主は契約上の義務には違反していないことになります。 しかし、売主も買主も、売買代金額を決めるにあたって、購入した物にはキズや欠点がないと考えていたのですから、このような場合に買主として売主に何も請求できないというのでは買主にとって非常に酷な結果となります。

そこで、民法は、売買において、その目的物件に、一般の人では簡単に発見できないようなキズや欠点(瑕疵) があった場合、買主が売主に対して損害賠償請求をすることや、そのような瑕疵がある場合には契約の目的を達成することができない場合には契約の解除をすることを認めています。

土地の売買においては、具体的には、契約締結時にはきれいな土地だと思って購入した土地に有害物質による土壌汚染や産業廃棄物等の地中埋設物が存在することが判明し、買主が土壌汚染浄化費用・地中埋設物除去費用を負担しなければならなくなった場合に、このような買主が売主の瑕疵担保責任に基づいて、浄化費用・除去費用等の損害賠償を求め、あるいは契約の解除を主張するという形で紛争化するケースが一般的です。

瑕疵担保責任は、売主に過失があるか否かにかかわらず売主が負担しなければならない無過失責任とされています。

つまり、瑕疵の原因を作ったのが売主ではなかったとしても、損害賠償責任を負担することになります。

したがいまして、土地の売主としては、例えば元所有者が有害物質を使用して土壌を汚染していた場合や、あるいは隣地所有者が有害物質を使用してできた汚染が境界を越えて染み出した場合等であっても、買主に対してその土壌汚染の浄化費用等について損害賠償しなければならない場合があるのです。

このように、売主にとって、瑕疵担保責任は、予測できない損害を負担させられるリスク要因となりますので、売買契約を締結する際には、売買契約書において瑕疵担保責任について売主の責任を免責させる等の方法により十分な手当をしておくべきでしょう。逆に、買主にとっては、瑕疵担保責任は、購入した土地に存在することが判明した瑕疵について売主の負担を求めるための極めて有効な手段となりますので、売買契約書において瑕疵担保責任を行使できるような内容になっているかどうか注意すべきでしょう。

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