土壌汚染に強い弁護士トップ > FAQ > 売主の責任の期間制限について > 瑕疵担保責任の除斥期間を経過しないようにするためにはどうすればよいですか。
土壌汚染や地中埋設物の発見から1年以内(特約があれば特約の定めによる。)に、売主の担保責任を問う意思を明確に告げる必要があります。具体的には瑕疵担保に基づく損害賠償請求権の発生原因となる土壌汚染や地中埋設物の内容を明確にして損害賠償請求権を特定するとともに、請求する損害額を算定根拠とともに明示する等の方法により、損害賠償請求を明確にする必要があります。
買主は、瑕疵の存在を理由として土地の売主の瑕疵担保責任を追求する場合、以下の期間制限に服することになります。
このうち、③の期間制限のことを除斥期間といいます。除斥期間内に権利行使をしないと権利は消滅することになります。時効の場合、期間内に裁判上の権利行使をしなければなりませんが、除斥期間の場合には、期間内に裁判外で権利行使すれば、売買の目的物の引き渡しを受けたときから進行する時効期間の満了によって請求権が消滅するまでの間、瑕疵担保責任を追及できることになります。
具体的には、瑕疵担保による損害賠償請求権を保存するには、除斥期間内に、売主の担保責任を問う意思を裁判外で明確に告げることをもって足ります(最判平成4年10月20日民集46巻7号1129頁)。
そして、売主の担保責任を問う意思を裁判外で明確に告げたとして損害賠償請求権の保全が認められるためには、瑕疵担保に基づく損害賠償請求権の発生原因となる瑕疵の内容を明確にして損害賠償請求権を特定するとともに、請求する損害額を算定根拠とともに明示する等の方法により、損害賠償請求を明確にする必要があるといわれています(最判平成4年10月20日民集46巻7号1129頁)。
そうすると、土地の買主は、土壌汚染や地中埋設物の発見から1年以内に土壌汚染や地中埋設物の処理数量を確定して浄化工事や除去工事を実施し、あるいは見積もりを取得する等の方法により、具体的に相手方に対して損害賠償請求をするための準備を一通り完了させておく必要があります。