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土壌汚染に強い弁護士トップ > FAQ > 土地売買前の留意点について > 土地を売却する前に土壌汚染の調査を行ったところ土壌汚染の存在が判明したため浄化工事を実施しました。このことを買主にも説明して土地を売却しました。土地引渡しから3~4年経過後に再び土壌汚染等の存在が発覚しても、買主から責任を問われることはありませんか。なお、買主も売主も不動産業者です。

土地を売却する前に土壌汚染の調査を行ったところ土壌汚染の存在が判明したため浄化工事を実施しました。このことを買主にも説明して土地を売却しました。土地引渡しから3~4年経過後に再び土壌汚染等の存在が発覚しても、買主から責任を問われることはありませんか。なお、買主も売主も不動産業者です。

土壌汚染浄化義務違反に基づき損害賠償義務を課される可能性は否定できません。

解説

本件の事案のとおり、実務上、売主側が土地引渡し前に土壌汚染調査・浄化工事を実施しても、土地引渡し後に買主側が実施した土壌汚染調査において再度土壌汚染が検出されることは往々にしてあります。

いくら土地を売却する前に土壌汚染・地中埋設物の浄化工事・除去工事を行ったとしても、土地引渡し後に再度土壌汚染・地中埋設物の存在が発覚すれば、売主は瑕疵担保責任、説明義務違反、汚染浄化義務違反・地中埋設物除去義務違反等に基づき賠償義務を負担する可能性はありますし、売却前に多額の費用をかけて浄化工事・除去工事を行ったということは賠償義務を免れる理由にはなりません。

もっとも、瑕疵担保責任については、商人間の売買では、買主は、土地引渡し後6か月以内に瑕疵の原因となる土壌汚染や地中埋設物を発見し、売主に通知する必要がありますが、上記の事案では、土地引渡しから3~4年経過しているということですので、売主の瑕疵担保責任は消滅していると考えていいでしょう。

また、本件では、土壌汚染の存在が判明していたことや浄化工事を実施したことは買主に説明していますので、土壌汚染の存在について説明義務違反を問われる可能性も低いでしょう。

このように、瑕疵担保責任及び説明義務違反のいずれも認められないような場合に、買主から、売主に対して、土壌汚染浄化義務違反に基づく主張がなされることがあります。

東京地判平成20年11月19日判タ1296号217頁では、売主が、本件土地に環境基準値を上回るヒ素が含まれている土地であることを事前に知っていたことを理由として、売主は、信義則上、売買契約に付随する義務として土地の土壌中のヒ素について環境基準値を下回るように浄化して買主に引き渡す義務(土壌汚染浄化義務)を負うと判断されました。

土壌汚染浄化義務は、説明義務と異なり、土壌汚染を浄化することそのものを契約上の義務と捉える考え方であり、買主に対し、ヒ素による土壌汚染が存在することや浄化工事を行ったこと等を説明しても免責されないと思われます。

土壌汚染浄化義務違反に基づき土地売主に損害賠償を求める場合は、債務不履行責任によることになりますから、商行為によって生じた債権に該当するならば、商事消滅時効の5年、これに該当しない一般の民法上の債権ならば、民法の原則どおり10年の消滅時効にかかることになります。さらに、瑕疵担保責任と異なり、買主には、土地引渡し後6か月以内に瑕疵の原因となる土壌汚染を発見し売主に通知する義務(買主の検査通知義務)は課せられませんし、土壌汚染の発見から1年間の期間制限もありません。

このように、土壌汚染浄化義務が認められると売主にとっては非常に過酷な義務が課されることになりますので、売主の立場としては、このような義務を認められることのないよう、売買契約書の内容については、締結前に専門家のリーガル・チェックを受ける等、細心の注意を払う必要があります。

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