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土地を売却する前に、調査を行い、土壌汚染やガラ等の産業廃棄物の存在が明らかになったので、それらの除去工事を行いました。売却後に再び土壌汚染等の存在が発覚しても、買主から責任を問われることはないですよね。

いいえ。土地を売却する前に土壌汚染・地中埋設物の浄化工事・除去工事を行ったとしても、土地引渡し後に再度土壌汚染・地中埋設物が発見された場合、売主は、瑕疵担保責任や汚染浄化義務違反・地中埋設物除去義務違反等に基づき賠償義務を負う可能性があります。瑕疵担保責任免除特約が合意されていた場合、瑕疵担保責任は免除される可能性はありますが、その場合でも特約が無効と判断される可能性もあります。

解説

土壌汚染調査や地中埋設物調査は、対象地の土壌粒子を網羅的に検査するものではありませんから、完璧なものではありません。

一般に土壌汚染対策法で定められた調査であれば、相当程度の確率で汚染を明らかにしてくれると思われますが、それでも、実務家の間では80%くらいの確率ではないかと言われることもあるようです(小澤英明『土壌汚染対策法と民事責任』(2014年、白揚社)232頁)。

いくら土地を売却する前に土壌汚染・地中埋設物の浄化工事・除去工事を行ったとしても、土地引渡し後に再度土壌汚染・地中埋設物の存在が発覚すれば、売主は瑕疵担保責任、説明義務違反、汚染浄化義務違反・地中埋設物除去義務違反等に基づき賠償義務を負担する可能性はありますし、売却前に多額の費用をかけて浄化工事・除去工事を行ったということは賠償義務を免れる理由にはなりません。

裁判例においても、土地売主が、事前に土壌汚染調査・浄化工事を実施したにもかかわらず、土地引渡し後に再度土壌汚染が発見され、売主に多額の賠償義務が課されるケースは珍しくありません(東京地判平成23年1月20日判タ1365号124頁②事件、東京地判平成20年7月8日判タ1292号192頁、東京地判平成19年9月27日ウエストロー・ジャパン)。

この場合、売主としては、事前の土壌汚染調査・浄化工事に要した費用に加えて予想外の賠償義務を背負わせられることになります。一般に土壌汚染調査・浄化工事費用は高額であり、規模によっては、億単位の金額を要することもありますので、このような賠償義務を負担されることによって自社の事業に致命的な悪影響が生じる可能性もあります。

したがいまして、売主としては、このような不測の損害を被る事態を避けるため、売却後に判明した土壌汚染の浄化工事費用等について売主の責任を免責させる等何らかの方策をとる必要があります。

地中埋設物調査についても土壌汚染調査と同様、完璧なものではありませんから、同様の方策をとっておくべきでしょう。

なお、売主の瑕疵担保責任を免除する特約を設ける場合には注意が必要です。裁判所は、土地の売買契約の解釈においては、買主側を保護する傾向にあり、せっかく売買契約書において、売主の瑕疵担保責任を免除する規定を設けても、瑕疵担保責任免除特約の成立が否定され、あるいは特約の効力が否定されることがあります。また、東京地判平成20年11月19日判タ1296号217頁や東京地判平成 7年12月 8日判タ 921号228頁のように、売主に土壌汚染浄化義務・地中埋設物除去義務が課されるケースでは、売主の瑕疵担保責任が免責されても、売主の浄化義務・除去義務の債務不履行責任として賠償義務が認められることも考えられます。

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