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地中の特定有害物質による汚染及び石綿(アスベスト)等の存在並びにこれに起因する廃棄物や土壌汚染の処理に要する費用の高額化を瑕疵と認め売買契約の解除を認めた事例

石綿(アスベスト)は、耐火被覆用の吹付け石綿、石綿含有保温材、石綿含有断熱材などの多くの建材に用いられてきましたが、肺がん、中皮腫などの原因となると言われ、段階的に禁止又は使用中止されてきました。アスベストは、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで飛散防止等が図られています。

地中に存在する石綿の量に関する直接的な法規制は存しないものの、これらは、マンション建設等のために土地を掘削や廃棄物処理作業の実施の際に、作業中に石綿が飛散することのないように留意する必要があり、その処理費用は多額となることが多く、場合によっては、以下の事例のように瑕疵に当たる可能性があります。

以下の事例では、上記の瑕疵の存在を理由として売買契約の解除する旨主張しました。瑕疵担保責任に基づく売買契約の解除が認められるためには、①隠れた瑕疵があることに加え、②瑕疵があることによって契約をした目的を達することができないことが必要となります。

以下の事例のように、土壌汚染や地中埋設物の存在により高額な除去費用が必要となる場合には、契約をした目的を達することができないものとして売買契約の解除が認められる可能性があります。

裁判例 東京地判平成20年9月24日ウエストロー・ジャパン
事案の概要 Aは、マンション予定地として、Bより土地を4億6000万円で購入した。その後、大量の廃棄物、石綿、並びに鉛、カドミウム、及びヒ素による土壌汚染が存在することが判明した。本件土地の埋設廃棄物処理(掘削除去)工事に要する費用について2社に見積もりを依頼したところ、いずれも8億円を超える金額が提示された。AはBに対し、本件土地の売買契約の解除を主張し、売買代金の返還等を求めた。
判決の概要 民法570条にいう隠れた瑕疵とは、売買契約締結当時社会通念上買主に期待される通常の注意を用いても発見することのできないような目的物の瑕疵をいい、Aが不動産業者であったこと、本件土地上に窯業・土石製品製造業の工場が存在していたことを認識していたこと、地質調査報告書添付の現場写真から地中に埋まっているガラやごみ等の存在を看守することが可能であったこと等から、地中の廃棄物の存在それ自体については隠れた瑕疵にあたらないと判断した。しかし、地中の特定有害物質による汚染及び石綿等の存在並びにこれに起因する廃棄物や土壌汚染の処理に関する費用の高額化については、本件土地の実質的価値とその対価である売買代金との等価性を著しく損なうものであり、隠れた瑕疵にあたると判断した。
また、本件土地に分譲マンションを建設するためには、地中の多量の廃棄物を処理するとともに、建設のための掘削作業や廃棄物処理作業の実施に際して石綿の飛散を防止する必要があるため、本件売買代金額と対比して過分な高額の処理費用を要することが見込まれることからすれば、上記瑕疵の存在により本件売買の目的を達することができないとし、本件売買の解除を認めた。
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