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地中における井戸の存在を瑕疵と認め97万500円の賠償義務を認めた事例

以下の事例のように、土地の売買契約締結後に、地中に井戸などの地中埋設物が存在することが判明した場合は、買主は、売主に対し、多額の損害賠償請求をすることができる可能性があります。

また、以下の事例においては、買主が第三者に対して土地を転売した後に地中から井戸が発見されたのですが、裁判所は、買主が転売先に対して瑕疵担保責任に基づく損害賠償債務を負担するか否かにかかわらず、売主は買主に対して瑕疵担保責任を負担すると判断しました。この判断を前提とすると、土地の買主としては、転売先との契約書で自らの瑕疵担保責任を免責させておけば、転売先に対して何ら責任を負うことなく、売主に対して損害賠償請求することができる可能性もあります。この点からも、不動産売買契約書において売主の瑕疵担保責任をどのように規定するかが極めて重要であることがお分かりいただけるかと思います。

なお、買主は、瑕疵の存在を理由として土地の売主の瑕疵担保責任を追求する場合、以下の期間制限に服することになりますのでご注意ください。

  • ① 土地の引渡しから10年(ただし商行為の場合は5年)で時効にかかります。
  • ② 商人間の売買では、買主は、土地引渡し後6か月以内に瑕疵の原因となる土壌汚染や地中埋設物を発見し、売主に通知する必要があります。
  • ③ 土壌汚染や地中埋設物の発見から1年以内に損害賠償請求をする必要があります。
裁判例 東京地判平成21年2月6日判タ1312号274頁
事案の概要 Aは、Bより土地を宅地として3150万円で購入した後、同土地を同じく宅地としてCに3700万円で売却した。Cは、上記の土地の地中調査をしたところ、地中に井戸が存在していることが判明した。Aは、Cより瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求され、和解金580万円を支払った。Aは、Bに対し、瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した。
判決の概要 上記の井戸の位置及び大きさに照らすと、上記の土地の買主が上記の土地を宅地として利用するためには、上記の井戸を撤去し、これに伴う地盤改良工事等を行なう必要があるため、井戸の存在は土地の瑕疵といえるとし、Bに、Cが上記の井戸を撤去し上記の土地を宅地として使用するために実際に追加して負担した工事費用97万500円の賠償義務を認めた。Bは、Cが上記の土地受領後6か月以上経過した後に、Aに対して瑕疵担保責任を追及しているから、Aには損害賠償義務はなく、経済的損害はない旨主張したが、裁判所は、AがCに対して瑕疵担保責任に基づく損害賠償債務を負担するか否かにかかわらず、Aの経済的損害は存在し、BはAに対して瑕疵担保責任を負担すると判断し、Bの主張を排斥した。
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